43.QDCについて/クレームに対する横展開


「営業マンの対応が非常によかったので、車を買うことを決めた」という話がありましたが、その全く逆のことが先週末にありました。当社の対応が非常に悪い、「言ったとおりに直さない」、「トラブルが多い」、「対応が遅い」、非常に大事なお客様からたいへん厳しい叱責を受けました。先般のLT社のことは、やや他部門のこととして受け止めていましたが、同じようなことが自部門でも起こっていましたので、これはたいへん、トラブルの中身の話は別として、考え方の問題として大至急に是正し、横展開しないといけないと思いました。

 

Q(品質)、C(コスト)、D(納期)をどのように捉まえていますか?

S電機では、QCDと言わずに、QDCと言われています。これは単純なことですが、実は非常に大切なことを言っています。何を言っているかというと、ビジネスを遂行する上で大事にしないといけないことをきちんと順序付けして言っているのです。つまり、Q(品質)が何よりも優先して一番重要で、その次にD(納期)が重要で、C(コスト)は最後だというのです。

 

ところで、Q(品質)をどのように把握していますか。品質がよいとは不良が少ないことでしょうか。もちろんそのことも大事ですが、Q(品質)とはもっと大きな概念です。きちんと性能が出ているか、使い勝手はよいか、適当な値ごろ感か、アフターサービスはよいか、これらもみんなQ(品質)に含まれるのです。

 

D(納期)とは何でしょうか。納期を守ることはもちろんなのですが、これを一言でいうと、対応の早さ・スピードです。いろんな問い合わせや、お願いや、クレームに対する早さ(スピード感)がすべてD(納期)に当てはまるのです。

 

C(コスト)は、実は、お金に関するものすべて。商品のプライス。商品のコスト。そしてその差分が利益。品質費、アスターサービス費、お金に関するすべてを意味します。結果として、品質が悪ければ品質コストが増えるし、納期が遅れれば延滞金を取られるし、のように、C(コスト)は、最後の結果としての集積で=自己責任の集積です。当然のことですが、あらゆる意味での品質が悪ければ、絶対に利益がでないことは自明です。

 

もう一度、QDCをよく考えて下さい。そして、不幸にして、もし品質トラブルが発生してしまったら、すぐに報告して下さい。課長に報告し、部長に報告し、本部長に報告して下さい。手遅れになる前に皆でアイデアを出して対処しなければなりません。クレームの処理の仕方がよかったということで、次の商談が進むことだってあります。怒られると思って、自分で抱え込むことが最悪です。仕事をするからトラブルも起こるのです。トラブルを起こさないように努力することは当然のことですが、トラブルをダメと言いすぎると仕事をしない方がよいというようなとんでもない結論になります。そんな話はない訳ですから、品質トラブルやクレームを受けたときは、とにかく抱え込まないで、すぐに報告して下さい。