210.地震と原発、環境問題の真実(2)(武田邦彦)
・遠くへ逃げるな。
放射線は光の一種であるから、距離の2乗に反比例して減衰するので、遠くへ逃げれば有効である。しかしながら報道が大きな間違いを犯している。放射能は光ではなく、チリに付着して浮遊しており、風向きに依存する。遠くに逃げても風下なら意味がない。若狭原発が問題になって京都方向に風が吹いたら、次は大阪が危ない。岐阜方向に吹いたら、次は名古屋が危ない。だいたい幅は10kmくらい。風の流れに直角に動くのが最良である。
・風向きの予報が消えた。
あるときからNHKの風向き情報が消えた。気象庁はIEAEには報告しているのに、文科省の管轄だと言って公表しない。風下の地方がパニックにならないように意図的に隠されたとしか思えない。
・直ちに健康に問題ない?
放射線と人体の関係はよく分かっていないところがあるが、人体への許容度は年間1ミリシーベルト以下と決められている。年間5ミリシーベルトを超えると労災認定される。それなのに文科省は一時子供たちの許容被爆量を年間20ミリシーベルトと決めた。まったくナンセンスである。子供のおしっこ、海産物などフランスに送って分析してもらっている。国民を守らない政府は壊れる。
・マスクとペットボトルが必需品。
放射能を含んだチリはウィルスよりも大きいので、マスクで十分遮断できる。地表におちたチリで水源地や川が汚染されるので、ペットボトルが必須。風の流れに直角に動ききるまでに必要な水は確保しておかねばならない。