20.特別講座4(問題発見)]
問題発見は、時間軸と深さで把握するようにしています。
・時間軸は、短期的か、長期的かだから分かりやすいと思います。
・深さは、日常的に発生する問題と真の問題です。
この2つずつのマトリクスですから、
・短期の日常問題、短期の真の問題
・長期の日常問題、長期の真の問題
の4つの象限があることになります。一般に短期の真の問題はかなり重症の場合しかないし、長期の日常の問題も少ないですから、
・短期の日常問題と、長期の真の問題
の2象限に着目することになります。
つまり、真の問題は、ある程度の期間を積分してみていないと分からないことが多く、その意味で、短期の日常問題をきちんと把握していないと、長期の真の問題も見えなくなります。
基準は何かというと、
・短期の日常問題は損益
・長期の真の問題は経営理念
です。会社運営ですから、人事問題も、組織問題も、品質問題も、契約も、クレームも、あらゆる問題は損益に帰着します。儲からないもの、持ち出しになるもの、損益がマイナスになるものはすべて問題として捉えます。短期的にも、長期的にもです。但し、表面的には、健全な赤字もあるし、健全でない黒字もありますので、損益といっても、単純に赤字が悪いというわけではありません。正しい先行投資は当面赤字になりますが、企業の存続のために絶対必要なことですから、一旦腹を決めたらきちんと計画して成功するまで、頑張らないといけません。
逆に、黒字でも瞬間に崩れることがあります。販売している商品が偏った場合に、突然崩れることを経験しています。次の商品を周到に用意していかないといけません。
長期的な真の問題は、日常のこれらの問題を細かく蓄積していくことによって、見えてきますが、真の問題の判断基準は何かというと、次のレイヤーの課題である経営理念です。日常の問題と同じように、人事問題にも、組織問題にも、品質問題にも、契約にも、クレームにも、あらゆる問題に真の問題は内在します。
会社は成長しますので、時間が経つと消える問題もあります。あらたに出てくる問題もあります。真の問題でも、緊急手術が必要か、漢方薬でゆるやかに治すべきか、時期を待って手術する必要もあります。
これらの問題発見する手段として、レイヤー2で議論した、よく聞く、よく読む、メモを取る、ことが必要になるわけです。会社の長たるもの、実務をやるために、よく聞く、よく読むわけではなく、実務は現場に任せて、そこに潜んでいる問題点がないかとその解決方法を、常に意識している訳です。
こういうふうに捉えていると、面的にも深さも時間も鳥瞰していますので、24時間考えるようになりますし、誰よりも早く気がつくようになります。
特別講座4(問題発見)