176.誠実な対応を?
O社は、オーディオの専門メーカーで、今までPCメーカーとしての認識はありませんでした。そのO社がPCメーカーになったのです。経緯はこういうことでした。最近、iPODで代表されるように、音楽はネット配信されることが多くなってきました。PCでも音楽を聴くことができるようになってきましたが、このときの欠点は、PCはオーディオ機器ではありませんので、ノイズ対策が不十分です。
一方、従来のオーディオ機器はCDで聞く限りは非常にいいのですが、ネット配信機能がないので将来性がありません。そこで、O社は、So社を買収して、CPUボード内蔵のオーディオアンプを商品化しました。もちろん、そのときに特に注意したのがノイズで、徹底的に静かな商品に仕上げました。この商品は現在も発売されています。この商品開発でCPUボートを取り扱うことができるようになったので、これをきっかけに、I社と協調の下、Ko社を買収して、普通のPC事業にも進出しました。O社自身はPCの商品企画、仕様設計、品質管理を行って、中国や台湾のPCメーカーにODM/OEMを依頼して、自社ブランドのPCを仕上げています。
そこで、話を元に戻して、S常務ですが、上述のSo社の買収のときにO社に来た人で、更に遡るとTO社のPCの開発者であることが分かりました。TO社のPC「Dynabook」を立ち上げた人は溝口さんという、後にTO社の専務をされた人ですが、その溝口さんと菅さんはペアで仕事をしてきた人でした。
どこかで見た人だなあ」と思っていたら、どうもTO社が運用していた「モバイル放送」社で会ったことがありました。当時、「モバイル放送」社のコンテンツをケータイで受信することはできないか検討していました。下名がケータイで鼻息の荒かったときのことですから、強気一辺倒の対応をしたのではないか心配でした。話をすすめると、どうもそういうことはなかったようで、かつ旧知であることも分って、今後をどうするかを含めて、ずいぶん話が弾みました。
いつも誠実な対応をしていますか? お客様の立場のときもあれば、買っていただくときもあります。どちらの立場に立っても、誠実(フェア)な対応をしてほしいと思います。