173.夏季連休
夏季連休の話ですが、十分リフレッシュすることができました。
前半は九州へ旅行に行ってきました。福岡空港でレンタカーを借りては走りました。流石に九州の高速道路に渋滞はなくて、快適に走ってきました。熊本の黒川温泉で1泊し、翌日は阿蘇山を一望できる大観望に行って、そして九重”夢“の大吊橋を渡り、佐賀関半島を1周して、途中で関あじを食し、大分空港から帰阪するルートです。
黒川温泉は、別府、湯布院より山奥に入った渓流のところに26軒の宿が固まっていて、都会化されておらず、全軒露天風呂で、1箇所400円でどこでも入浴することができるというのが特徴になっています。九重“夢”の大吊橋も思った以上に揺れるし、高さも高いし、大きな滝があって、この滝が普通は2つ、大雨のときは5つだそうですが、景色は良いし、非常に満足できるものでした。
後半は映画三昧でした。15日の終戦記念日はTVの「帰国」を観ました。倉本聡さんの脚本でビートたけしなどが出演していたTV用の映画です。南方でなくなってまだ成仏できない英霊が日本に戻ってきて、本当に自分たちの死は無駄ではなかったか、未来の日本は人間的にも経済社会的にも本当によくなったのかを問いかける内容でした。
これに刺激されて、16日に「キャタピラ」を見ました。若松孝二脚本・監督の作品で、寺島しのぶがベルリン国際映画祭で主演女優賞を取った作品です。内容は観てのお楽しみですが、ちょっとだけ披露すると、戦争に徴兵され、両手両足を亡くしてまでもお国に貢献し、奇跡的に生還し、生きた軍神とあがめられる夫と、その妻の話です。夫は手足がありませんし、話すこともできないし、耳も聞こえませんので、妻の世話は並大抵ではありません。ところが、そのうちに男と女の業(性)が逆転したりします。詳しくは映画をみてもらうしかありませんが、女優寺島しのぶぐらいでしかできない超体当たり演技で表現されています。そのうちに夫は戦場で行った悪行を思い出し、その非業さに猛烈に悩まされます。そして、とうとう…ということですが、ラストシーンも是非映画を観てください。戦争に行った人間も、行かなかった人も、みんな被害者、ということで、究極の反戦映画だという批評もあります。
実は、原作があります。江戸川乱歩の「芋虫」です。キャタピラの言語は芋虫ということも今回知りました。映画も観てほしいですし、本も読んでほしいと思います。戦争の悲惨さを理解することができるいい機会になると思います。