15.特別講座2(復習)


特別講座2では、レイヤー2、「感度高く蓄積する」ことを学んでします。なぜかというと、判断するときにベースになる情報は多ければ多いほどよいという考えに基づいています。

ただ、一口に情報といっても、有用なものでなければ意味がないので、効率よくという意味で「感度高く」、すなわち、取捨選択されたものをどのようにして手にいれるか、その方法論を議論しています。

・聞き取る

・読み取る

・メモを取る

を解説しました。人の話し、特に部下の話は、会社の長として、判断に必要な情報の入手手段として重要だから、単に(物理的に)聞くのではなく、全身全霊、気持ちを込めて、真面目に聞くことが大事と言いました。

 

(1)読み取る

読み取る方も、正式な計画書、提案書、稟議書、出張報告、週報など、社内ではたくさんの書類が作られますが、これもフィルタをかけないで、つまり先入観を持たないで、赤線を引くなどして、端から端まで、きちんと読んで、必要な情報をまず自分のものにしないといけません。

判断しながら読んでいくと誤ることが多く、まずは何が言いたいか、書類から聞き取る=読み取ることが大事で、判断はその後で他の情報と組み合わせて行えばいいのです。

 

判断は、別のレイヤーで後述しますが、持っているデータベースを最大限に活かして、空間的も、時間的にも「鳥瞰」しながら判断します。この時空間の広さが、広ければ広いほど、正しい判断ができ、結果として周りの人間からリスペクトされるわけです。

 

読むことに関連して「新聞」があります。私は、一般紙、日経新聞、日刊工業の3紙に目を通すようにしています。新聞は端から端までよむ訳ではなく、トイレや昼休みの休憩時間で、まさに目を通すようにしています。少しでも経済動向に関心を深めるために、自腹で、少しの株と、外貨預金と、債権を持っています。否応なしに気になるし、毎日、経済動向を追っかけるようになります。それと外せないのは人事情報です。お客様、同業他社の人事は十分な関心をもって、毎日チェックしないといけません。

 

もうひとつ、「読書」があります。下名は年間100冊の読書を目標としていますが、だいたい毎年70~90冊ぐらいで、目標が達成できていません。まあ100冊読んだとしても30年で、わずか3000冊しか読めませんから、本の選択は非常に大事なものになります。もちろん100冊の中には、娯楽モノも含まれますので、「感度高く、蓄積する」という観点では、そうとう薄くなります。それでもハウツウの新書が半分くらいでしょうか。娯楽モノでも、文化的にはデータベースの蓄積に貢献していると思っています。

週刊誌はまったく読みません。電車の中吊りとか新聞の広告で、中身はほとんど想像できますので、買ってまで読む気にはなりません。

 

「映画」にも触れないわけにはいきません。だいたい20本ぐらいは1年間に観ます。最近では、クリント・イーストウッドの「人生の特等席」、吉永小百合の「北のカナリア」、高倉健の「あなたへ」、ほかに「最強のふたり」、「つなぐ」、「天地明察」、「幸せの教室」など、洋画、邦画を問わず見ています。あまりドンパチやるアクションものは観ません。大半は娯楽ですが、それでも文化的情報の収集というか、自分の心を休めるためには、ずいぶん役に立っていると思っています。

 

(2)メモを取る

会議の要点をメモる、人の話をメモる、いろんな場面があり、メモることは非常に大事です。

下名のこの手のメモは、全部週報の中に記載され、電子情報として蓄積されます。また、朝礼などで話すことも、全部原稿をパソコンで作成しています。3ヶ月に1回ぐらいは、メールの添付ファイルで回覧して、耳で聞いたものを、更には目から見て、理解を深めてもらうようにしています。その中には、閑話休題として、読んだ本の参考になるところを残したりもしています。

 

推奨したいのは、自分の「理科年表」を作ってほしいということです。理科年表って見たことがありますか。東京天文台が発行しているものですが、いろんなデータがきちんと整理して記載されています。自分に必要な自分のデータベースは自分で作るしかありませんから、図表を駆使して、必要な情報を圧縮して、いつでも引き出せるように整理するのです。機会があったら、下名のものをお見せしましょう。

 

特別講座2(復習)