135.非常時に備えて


韓国で7名の日本人が亡くなる惨事がありました。射撃場の火災です。日本では免許を受けてのハンターかスポーツ以外では禁止されている実弾を撃つことができますので、特に日本人観光客には人気があるそうです。下名もその場にいたら、きっと仲間に入ってしまっていたかもしれません。原因はまだ判明していませんが、どこで事故に遭うかも分らないということです。

 

映画「沈まぬ太陽」を見ました。山崎豊子の同題の原作の映画化で、日航機JL123便の墜落事故を題材にしたフィクションですが、そのままノンフィクションと言ってもいいくらいの現実感で描写されています。この映画は、企業内の抗争、仲間と裏切り、国家・政治家との関係、正義と挫折、筋をとおおすことと犠牲、家族愛、夫婦愛、大地と宇宙感等、たくさんの切り口があって、映画では珍しい途中で10分間の休憩ありの3時間35分の超大作ですが、その中に飛行機の保守・安全についてのシーンがありました。

下名は知らなかったのですが、不具合箇所の点検・修理を行っている間にフライト時間がくると、キャリーオーバーと称して、修理途中でそのまま飛ばしてしまうというやり方があるそうです。キャリーオーバーはゴルフだけかと思っていましたが、そういう怖いことを通常的に行っていました。下名は既に1500回くらいの搭乗記録がありますが、そんなことを知らないで乗っていたのかと思うと、ぞっとしました。もちろん重大な不具合ではなく、軽症と判断したものでしょうけど、JL123便の惨事の原因となった圧力隔壁の修理不良などは点検では分らなかったものですから、軽症とみられていたことが、実際には大きな事故になるケースもあり、事故につながる不具合はどこに内在しているかも分らないと言えると思います。

 

同様に、我々が扱っている商品にも不具合が内在している可能性は十分にあります。もちろん完璧を期していますが、物理的な劣化のばらつきもありますし、複合故障が発生する可能性もあります。

ですから、大事なことは、「自分だけは大丈夫、という気持ちを捨てること」だと思います。安全でない要因や事故はどこにでもあって均等に起こりうると考えていないといけないと思います。

車の運転では「かもしれない運転」をせよと教えられます。ここから子供が飛び出してくるかもしれない、前方の車が急ブレーキを踏むかもしれない、というふうに、次に起こるかもしれない事象を予測していれば、すばやく対応ができるということです。

自分の安全は自分で守るといいますが、まさにこのことだと思います。事故を想定して安全な運転をする。会社の安全=担当商品の品質も、この考え方で守る必要があると思います。仕事をすれば、不具合が起こります。納入した商品にもトラブルが起こります。これを予め予測して対応策を考えておくことが必要です。

ホテルに入って非常時の避難通路を必ず確認していますか?そういうところから良いくせをつけることが必要だと思います。