130.絵画鑑賞
京都市美術館に「ルーブル美術館展」を観に行ってきました。今回は16世紀から17世紀の絵画を70点ほど鑑賞することができました。
フランスに長期出張していたときに、ルーブル美術館やオルセー美術館、ロダン美術館などを、休日のたびに見て歩きましたが、そのノスタルジックさも手伝って、最終日で混雑しましたが、飛び込んでみてきました。
今回の目玉は、ヨハネス・フェルメールの「レースを編む女」でしたが、私が一番感動的だったのは、グェルチ―ノの「ペテロの涙」でした。キリストを裏切ったことをマリアの前で涙を出して懺悔している姿でしたが、そのマリア様も鼻を真っ赤にして一緒になって泣いているところが非常によく描かれていました。今回の展示では音声ガイドの裏にバッハやヘンデル、ヴィバルディなどの名曲が流れており、それも心を癒してくれました。
そういう感動を与えてくれる絵画展ですが、どうやってここまで正確に描くことができるのだろうというほどの描写テクニックのすばらしさにも技術者として目が行きます。ペテロの涙は透明ですが、本当に透明なはずの涙が透明(に見えるよう)に描かれています。足の指一本、爪ひとつ、みんな手をぬくところはひとつもなく正確に描かれています。髪の毛の1本1本、しわの1すじ1すじ、どうやって描くのだろうと、つくづく感心させられる精密さです。題材は、宗教的なもの、王室の関連、自画像、神話などですが、このころになると、静物や農民なども描かれるようになり、それらが、みんなすばらしく描かれています。
無理やり仕事に結び付けますが、こういう完成度の高さが大きな感動を与えてくれると思います。雑な仕事では、とてもこんな感動は得られないと思います。我々の仕事も正確に、精密に行うことで、お客様や会社の信頼が得られると思います。