1.プロローグ


(1)原則
 
会社は、社員が自分の言葉で発言し、言ったことに責任をもって、自分で動いて、解決しようとするようにしなければなりません。そうすれば、日常的な仕事は、社長や役員抜きで動くようになります。社長や役員はこれを監督し、サポートする側にうまく廻るようにする必要があります。
 
(2)経営数値
 
P/Lは健全でも、B/Sは問題がある場合がよくあります。逆の場合もありますが、それはそれとして、粗利率は20%超を確保できなければなりません。売上げの拡大は、市場や顧客に左右されるので、自社だけでは自由にコントロールできません。自社でできるのは粗利率の改善です。無駄な経費の削減を常に行う必要があります。
 
(3)風土作り
 
徹底的に数字にこだわる、約束した数字は守る、守らせる風土作りが必要です。 数字は、利益、売上高、企画台数、納期、不良率、経費など、すべてに対して、こだわらないといけません。
 
(4)将来の新社長
 
なって当然と思っている人をその気にさせるべきです。このタイプの人は、ならないとモチベーションが下がります。普通は、社長就任前ですから、社員からも、顧客からも、社長ができるかどうか心配されることが多いのですが、実務は他の役員、優秀な社員に任せて、会社全体を鳥瞰して、会社の10年前、5年前を振り帰り、1年先、3年先、5~10年先の絵を常に描く、対銀行(資金繰り)、対M&A(ホワイトナイト作り)、対組織、対日常業務、対顧客、対社内など社長としてやらねばならない仕事にできるだけ多くの時間を使うべきです。
 
社長は孤独です。孤独に耐えられる精神力をつける必要があります。CFO的な社長をめざすのもアイデアです。最低限、会社全体の損益分岐点は常に認識していないといけません。
 
(5)社外取締役
 
新社長の相談役となって支える人物を社外に求める方法もあります。新社長をガイドし、自分で決心したように思わせる人でないといけません。社外役員の立場の方が、波風がたたないこともあります。プロパーの若手の目標の邪魔にならないように、将来性のある、経営センスのある人を登用すべきです。報酬は別途、関係者で決めればいいことです。
 
(6)営業の強化
 
 
「数字と活動状況の見える化」と、「約束を守る営業」を作る必要があります。商社を使うことも選択肢のひとつです。
 
(7)技術の強化
 
自明。
 
プロローグ