閑話休題(57)「神われらと共に(浜辺の足跡)」 アデマール・デ・パロス(ブラジルの詩人)


夢をみた、クリスマスの夜。

浜辺を歩いていた、主と並んで。

砂の上に二人の足が、二人の足跡を残していった。

私のそれと、主のそれと。

ふと思った。夢のなかのことだ。

この一足一足は、私の生涯の一日一日を示していると。

立ち止まって後ろを振り返った。

足跡はずっと遠く見えなくなるところまで続いている。

 

ところが、一つのことに気づいた。

ところどころ、二人の足跡でなく、

一人の足跡しかないのに。

私の生涯が走馬灯のように思い出された。

なんという驚き、一人の足跡しかないところは、

生涯でいちばん暗かった日とぴったり合う。

苦悶の日、

悪を望んだ日、

利己主義の日、

試練の日、

やりきれない日

自分にやりきれなくなった日。

 

そこで、主のほうに向き直って、

あえて文句を言った。

「あなたは、日々私たちと共にいると約束されたではありませんか。

なぜ約束を守ってくださらなかったのか。

どうして、人生の危機にあった私を一人で放っておかれたのか、

まさにあなたの存在が必要だった時に」

 

ところが、主は私に答えて言われた。

「友よ。砂の上に一人の足跡しか見えない日、

それは私がきみをおぶって歩いた日なのだよ」