閑話休題(84)大往生したけりゃ医療とかかわるな(自然死のすすめ)
中村仁一著(医者:京都大学医学部卒業) 幻冬社
自然死が一番苦しみのない死に方だという。看取っている人たちからみると苦しんでいるように見えるが、本人はランナーズハイにし近い状態で、苦しみを感じていないという。逆に、気管支切除して強制呼吸したり、胃ろうを作って強制栄養摂取したり、抹消静脈輸血や大量皮下注射を行って水分補給したりして、若干の寿命を長くすることは、周囲の人間には満足を与えるかもしれないが、むしろ本人に苦しみを与えることになるという。
癌についても、触らなければ暴れない。癌は発見するまでは痛みはないし、そのまま死んでも痛みを感じないという。医療的にさわるから暴れる。だから癌になったらむしろ有期限で死を迎えることになるので、十分に人生の後始末ができるので、むしろ喜んでいい死に方だと。
現代の医療は、すぐに病院に入れてしまうので、自然死を望むなら。以下のような事前指示が必要だという。
事前指示(その1)
「医療死」より「自然死」を望む。意識不明やボケで正常な判断力が失われた場合、以下を希望する。
(1)できる限り救急車はよばない。
(2)脳の実質に損傷ありと予想される場合は、解頭手術は辞退する。
KL(3)原因の遺憾を問わず一度心臓が停止すれば蘇生術は施さない。
(4)人工透析はしない。
(5)経口摂取が不能になれば寿命が尽きたと考え、経管栄養、静脈栄養、静脈輸液は行わない。
(6)不幸にも人工呼吸器が装着された場合、改善の見込みがなければその時点で取り外す。
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事前指示(その2)
死後について、以下を希望する。
(1)臓器は提供しない。
(2)葬儀は簡素な家族葬とする。
(3)供花、香典は辞退する。
(4)死体は火葬とする。
(5)年忌法要、墓石詣りは勝手たるべし。
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送る言葉
(1)起きて半畳、寝て一畳、天下取っても二合半(小欲に徹せよ)。
(2)天命に任せて人事を尽くせ。
(3)緑を大切に。
(4)渋柿の 渋がそのまま 甘さかな。
(5)人生は「苦」であると明らめよ(思いどおりにならないもの)。
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