閑話休題(52)星槎国際高等学校卒業式の祝辞
卒業生のみなさん、星槎国際高等学校ご卒業、おめでとうございます。
ご父兄の皆様、ご家族の皆様、おめでとうございます。
先生方や職員の皆様にも、おめでとうございますと申し上げたいと思います。
私は、ただ今ご紹介に預かりました、タチバナソリューションズプラザの濱村正夫と申します。
卒業生の皆さんに一言お祝いのお話として、「自立した大人になろう」というお話を差し上げたいと思います。
本日、星槎国際高等学校をご卒業されて、これから就職されたり、さらに上の学校に進学されたりと、大きく夢を膨らませておられると思いますが、本日、高校を卒業されますから、是非、できるだけ早く「自立した大人」になってほしいと思います。
自立するということは一人で生きるということではありません。一人で生活することでもありません。もともと人間は一人では生きられません。家族や仲間と一緒に助け合っていかないと生きてはいけません。自立するというのは、精神的にひとり立ちする、経済的にひとり立ちするということです。一人前の大人になるということです。
私の例を話したいと思います。私はいろいろ事情が重なって大学には進学できませんでした。高校を卒業してすぐにある大きな電機会社に就職しました。入社してみると、大学院から来た人、大学や高専から来た人と横一線でスタートしなければなりません。当然のことながら、勉強してきた量が違いますので、同じ仕事はできません。そこで、「これではイカンな。勉強が足らん。もっと勉強して、来年は先輩たち以上のことをやってやろう、再来年はもっと頑張ってやろう」と真剣に思い、猛烈に勉強しました。もちろん仕事をしながらです。残業が終わって寮に帰ってから、先輩が大学時代に使った本を借りて、独学で勉強しました。そうして頑張ったお陰で、20歳のときには大学卒業と同等と見做してもらえる試験に合格しました。その後は、大学卒業資格がないと受けられない試験も受験することができました。これを自信にして、同じ年齢の人が大学や大学院を卒業して入社してきても、その人たち以上に仕事をすることができました。この自信がついたことで、精神的にひとり立ちできました。これは私の例ですが何でもいいと思います。他の人に負けないもの、自信のあるものをひとつ掴むと、そこに戻ってくることができます。
心が折れそうになったときでも、そこに戻れば頑張ることができます。是非みなさん自信が持てるものをひとつ掴んで下さい。
経済的には、その電機会社に就職するときに親から3か月分の生活費とふとん一組を用意してもらいましたが、それ以来、親にお金を渡すことはあっても、一銭ももらったことはありません。住宅ローン以外は借金をしない生活を続けています。
これは私の例でしたが、幸いにして、私は体が健康だったから、こうやって頑張ることができたと思います。しかし、世の中にはそうでない人もいます。そういう人、つまり体の強くない人は、もちろん堂々と世話になったらよろしい。けれども、その中でも精神的、経済的な自立はできます。
逆にお世話ができるようになったら、何でもちゃんとお世話しなければなりません。
もうひとつ付け足します。人間が生きてゆくために大事なことは「フェア(公平)であること」です。性別や年齢や、国籍や肌の色で差別してはいけません。人を悪く言ったり、自分を傷つけたりしてはいけません。親や先生や感謝する、仲間を自然に助ける、そんな生き方が大事だと思っています。
まとめです。
精神的にも経済的にも自立して下さい。
フェアな精神で生きて下さい。
急ぐ必要はありません。自分の足で一歩一歩確実に前進して下さい。
これを皆さんの新しい門出の言葉としたいと思います。
本日は、ご卒業、おめでとうございます。