閑話休題(31)天中 新一郎氏(94歳)の投稿、朝日新聞62年読者投稿欄より


1. 年を取ったら でしゃばらず、憎まれ口に 泣き言に 人のかげ口 愚痴いわず、

他人のことは 褒めなはれ。聞かれりゃ 教えてあげてでも、知ってることでも

知らんふり。いつでもアホでいるこっちゃ。

 

2. 勝ったらあかん 負けなはれ。いずれお世話になる身なら、

若いもんには花持たせ、一歩下がってゆずるのが、円満にいくコツですわ。

いつも感謝を忘れずに、どんなときでも、へぇーおおきに。

 

3. お金の欲を捨てなはれ。なんぼゼニ・カネあってでも、死んだら持っていけまへん。

あの人はええ人やった そない人から言われるように、生きているうちにバラまいて、山ほど徳を積みなはれ。

 

4. そやけど それは表向き。ホンマはゼニを離さずに、死ぬまでしっかり持ってなはれ。人にケチやと言われても、お金があるから大事にし 皆でベンチャラ言うてくれる。内緒やけれど ホンマだっせ。

 

5. 昔のことは みな忘れ、自慢話はしなはんな。わしらの時代はもう過ぎた。

なんぼ頑張り 力んでも、体がいうことききまへん。あんたはえらい、わしゃあかん。そんな気持ちで おりなはれ。

 

6. わが子に孫にお世話さま。どなたからでも慕われる。ええ年寄りになりなはれ。

ボケたらあかん そのために、頭の洗濯 生きがいに 何かひとつの趣味をもって、

せいぜい長生きしなはれや。