母の終活
母を始めて抱いた。28kg。病院で亡くなった。弟が運転して、下名が抱いて、姉が足をもって帰宅した。享年99歳。
大往生。3年前に骨折した。それが引き金になって歩けなくなった。ディサービスに出かけた日に不整脈になった。その塊が血栓となって脳や腎臓など体中に散らばった。一夜で殆ど即死状態。だから痛みなど感じていない。それから3日間頑張って、そして姉弟に見守られて逝った。
北枕にして寝かせた。実家に嫁いでいる弟嫁が言った。ダンボール2個を預かっていると。母の部屋の押入れの上の戸袋から出してきた。1個目をあけた。毛布とメモがあった。棺おけの中はきっと冷たいから敷いてくれと。2個目をあけた。袖を通していない着物がでてきた。10年位前に弟嫁と一緒に買ったものだという。これを着させてくれと。次に紋付がでてきた。夭逝した弟妹が見つけ易いようにこれを着させてくれと。手紙の束、大事なものだから棺おけの中に一緒に入れてくれと。父からのものか、兄弟姉妹からのものか、初恋の手紙か。推測で周りが賑やか。さらに2つの袋がでてきた。あの世でお金に苦労するのは嫌だからいっぱい入れてくれと書いてある。苦労人の母らしい。おいしいものをたくさんいれてくれ、アリガトウ、バイバイ!とあった。笑いの送りとなった。
ガムテープをみると、何回か入れ直した跡がある。約10年くらい前に思いついて、いろいろ考えては直したと思われる。弟嫁はよく面倒をみた。母の部屋に行っても匂いひとつしなかった。
母の終活。死を当然のこととして受け入れて冷静に準備している。最期まで教えられた。濱村