濵ちゃんの足跡

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193.梨作りの話(1)

M電機のOBで、鳥取市の郊外で梨作りをやっている人がいます。70本の梨畑を買ってまだ4年目、農協や鳥取大農学部などの指導を受けながら頑張っています。何とか売り物になる梨がとれるようになったらしいのですが、もっといい梨を作りたいと熱心に研究を続けています。その人の話です。

5月半ばの今は、二十世紀梨の選花の時期。梨は自然交配で、全部の花が実をつけるけれども、そうすると堅い小さな実ばかりになって、売り物にならない。自然交配が終わった頃を見計らって、花の段階で選別する。花は1箇所に8個あり1房のようになっている。その中から1つだけ選別する訳だけれども、そこにセオリーがある。1房8個の花には1番から8番まで出てきた順番があり、3、4、5番目の中で一番勢いのある花を選ばないといけない。ちょっと見には1番目の花が一番大きくて元気があるけれども、統計的に1番目の花は実の形が丸くならないのでダメ。房の周りに葉があるので、順番を見つけるのは簡単でないけれども、目を凝らして順番を決め、8個の中の1つの花を決める。1本の木全体では、木の大きさの問題があるけれども300個ぐらいにする。木を弱わらせないために。

このときに同時に行うのが、次の枝作り。梨の枝は古くなると次第に実に糖分が行かなくなる。その人はひとつの枝を4年使ったら、その枝は根元から剪定してしまう。だから次々に枝つくりが必要で、枝の根元の裏に切り口を入れると、そこから新芽がでて新しい枝になる。(初めて知る知ことばかりで、興味津々)

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