濵ちゃんの足跡

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16.コミュニケーション

自分の考えを伝えるには、その伝えたい人数のルートの解に相当する回数繰り返し繰り返し話さないと伝わらないということを説明しました。

しかし、どうも1:1の場合でも、コミュニケーション不足、話がきちんと伝わっていないことがよくことがあり、たまたま羽田空港で少し時間があったので、デビット・ビーティと言う人が書いた「機長の心理学」という本を買って、読んでみました。なぜかというと、本の帯に、最近の航空機事故の70%は2~3人のクルーのコミュニケーション不足、正しくいうとヒューマンエラーから生じていると書いてあったからです。その本の中身は複雑ですが、とにかく簡単にまとめてしまうと、コミュニケーションがうまく行かない原因は3つあるといいます。

第1は「威圧」です。コックピットの中の最高権力者は機長です。機長は他のメンバーの成績を査定し昇進に関してのコメントをします。このことが言葉は優しくても無言の威圧になります。機長の発言が間違っていても反論しない、反論できないという状態です。例えば、専務(権威の象徴としての例ですが)の見解に対して、違う意見が言えるかどうか。もし明らかに間違っているのなら、きちんとそれを正さないといけません。また、上司は常に自由に意見を言える雰囲気作り、場作りが必要です。

第2は「同調」です。十分に確認された、十分に吟味された、あるいは十分に推敲された内容でなかった場合でも、誰かが、なにかをいうと、ついつい「そうだね」と同調してしまうことがあります。この確認の不確かさ大きな事故に繋がるのです。

第3は「楽観」です。人間は、どうしても最悪のことを考えない、そんなことはおこる筈がないと楽観的に思いがちです。最悪のことを考えるより気持ちが楽だからです。これが大きな事故に繋がります。

自分たちの仕事に置き換えて考えてみましょう。

(1) 何でも上司に言えますか?

(2) 上司は、何でも言える雰囲気作りをしていますか?

(3) 本当に考え抜かないで、簡単に同調していませんか?

(4) どうにかなるさと、楽観的に考えていませんか?

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